30th EP13

-前回のあらすじ-

これ読んでる人の中には経験ある人もいるんじゃないかな。客より自分たちの方が多くてさ。ステージ立つとフロアはガラガラ。でもね。そんなの一ミリも気にしてなかった。周りが見えてない訳じゃなく。朧げに見える。その先を見てた。

向き合う時間に裏付けされた。そのノリ。すべての人ではないけど。きっとね。足を運んでくれる人達にも伝わっていったと思う。BABEES。G SPOTのフロアが埋まるまで時間は掛からなかった。そこには下関の面子も。計らう必要はなく繋がるのは必然で。

DJ GOSA。キヨさんとシンゴのSU-ROW。YASU2000やパイプマンも当時は下関。DJ TOYOにDJ NOOKEY。ゴサのパーティに乗り込んで大暴れしたILLSONG。次会った時はDJで。懐かしいね。あそこは大所帯の大家族だから書ききれないのが残念だけど。

人生初のプレイから。いつだって温かく迎えてくれ。初めましてを重ね。繋がりは深くなって。愛称で呼び合うようになって。前田町のあの家。部屋の壁には一気飲みの正の字。行く度に書き足して。豊前田のファントム。鍛冶町のG SPOT。お互いの街で。新たな朝を描き足して。

不思議なもので。大事な事は忘れたりするのにね。すごく些細な事を。鮮明に覚えてたりするよね。

ハンチングに口髭。イエローのウインドブレーカーはXL。バーカンで声掛けられて。今日はプリングルスは踊りますか?俺の出番の事じゃなかった。一瞬クソがと思ったのがDJ C-man。

DJをスタートしたスケーターのマイク。寝てるマイクの頭をバリカンで刈って。未来の嫁になるルミちゃんにめちゃくちゃ怒られたり。

音を止めて。店がクローズしても。終わりはなく。表でバカ言って。そんな中。人一倍熱く語ってたのが初めましてのDJ TACO。当時から話が長かった。そんなタコくんをからかいながら話し込む。今も変わらないルーティン。

10年ひと昔。

あのビルの。あの階に。あの箱が在った。新しい店になってたり。空いてたり。ビル自体無くなってたり。ひと昔も。3ページめくる間に街並みも人の波も変わって。時代の狭間。思えば遠くに来たような。とり残されたような。寂しさも。大丈夫。自分に言い聞かせて。それを越えると真新しい朝が来て。

自分自身。変わる事が条件で。それが朝を迎える為の準備で。

この時。人を傷つける事や。何かを犠牲にする事。深く考えてるつもりだったけど。それはただのつもりで。時間もそう。何もかも無限だと思ってた。時間そのものも。命にも。限りがあるという事を。これから知ってくんですね。

I&I