30th EP1

さて、今年でDJ30年目という事でなんとなく始めた経緯(いきさつ)を少し。

あれは1992年。春頃だったかな。

色々欠けてた10代。落ち着きそびれた20代。まともな仕事。何やっても続かないし。似たようなやつとツルんでは暇つぶして。

そんな時、偶然出会ったのがバッテラさん。DELIGHT REPUBLICっていうアパレルショップをやってる人。海外で買い付けたヒップホップブランドを扱うショップでね。当時の小倉ではFUNKY DREADとここだけだったと思う。初めて店行った時にCONARTが並んでたのを覚えてます。

「暇ならバイトする?」
「いいんすか?」
そんな軽いノリでバイト始めてね。

この人が本当にカッコ良くて。憧れ慕う人も本当に多かった。当然お洒落だし、話し方、立ち振る舞い。すべてがね。多才な人でそのひとつがDJ。店にDJブースもあって。SL1200mk3にMelosのセット。

掃除やおつかい、雑用くらいしか俺の出来る事はないからね。人の来ない時間帯にテープ録ったりスクラッチの練習してるバッテラさん眺めて「かっけーな」。バイトはそんな感じだった。

まだDJブースが神聖な場所だった頃の話。

店番くらいは出来るようになった頃。人通りの少ない暇な日で。いつもの様にスクラッチの練習してるバッテラさん。ふと用事思い出したみたいで小一時間くらい出掛けて。店番っていってもとくにする事もなく。レコードに針置いたままのタンテ見てたらちょっとだけ触ってみたくなって。

迷った末、恐る恐るブースに。
レコードに手を置いて「ジュク」
一瞬たったそれだけ。
何かが「パーン」
頭の中で弾けた瞬間でした。

I&I