30th EP20

ふと振り返り。なんとなく書き始めたこのエピソード。現在1998年。まだまだ長い話になりそうです。ここから読むとハテナ?だと思うので。つい気になってしまった方はこちら -30th EP1-

あの時代。

大きく括ると。その記憶は割とおぼろげ。覚えてない事の方が多いかも。鮮明に記憶に残るのは。一瞬の場面と一曲。例えば。

開店時間から間もないパラダイスロストのフロア。粋な身のこなしで身体を揺らす一人のダンサー。DA BUSH BABEES / We Run Things 。ちょうどこの曲のインストに入ったタイミング。やわらかな関西アクセントで「マイクある?」「ちょっと遊ばせてもらえるかなぁ」と。

この時の俺の勘。すぐにマイクをセット。手渡して。これが和尚との出逢い。当時は影影丸(しゃしゃまる)と名乗ってた。

シャウトし。煽る(あおる)のとは違い。その時々の空間場面を切り取ってく。フロアでの身のこなしと同じく言葉を置いてく間も絶妙で。まさに遊ぶ。それだった。

初めましての相性は完璧。演りながらお互いあがっていく。DJとサイドMCというより。俺と和尚という。ひとつの形が生まれた瞬間でした。

もうひとつ。

場面と一曲の話をするなら英美ちゃん。すれ違う人が振り返るような美人でね。俺も首の骨が折れるくらい振り返りました。

出逢いから少しして。英美ちゃんとTK。二人がパストで演ったDISCA。SOUL、FUNK、DISCOを中心にしたDJパーティーで。この夜の英美ちゃんの一曲目が JOE TEX / I Gotcha。初めて聴く曲。イントロが流れた瞬間。DJブースにぶっ飛んでって。

この曲がスイッチだった。朝までずっとフロアに居たのを覚えてます。この夜からしばらく。あの日あがってましたね〜と。周りから冷やかされてた。本当に最高だった。

-前回のあらすじ-

パーティーでのレジデントにも少しずつ変化が。 KOUICHI、広、C-man、NAO、BEI。大分の宇佐から出てきたラッパーの弥勒。フロアに集う人たちも。それは新たな出逢いで。こうして繋がってく事に湧いて。それと同時に。それぞれ別の道を歩み始めていく場面も。

日々。閃き(ひらめき)ながら生きてる。むしろ「閃き」そのものが「生きる」という事なのかも。

朝目覚め。何食おう。何着よう。そんな日常的な事から。仕事だったり。家族や子供の成長だったり。今までとは違う。新しい何か。新しい道だったり。

なんとなく現れて。なんとなく消えてく人。環境のせい。状況のせい。人のせい。それを理由に去ってく人。それも人生。

ただ。内側から湧く閃きを。疑う事なく生きる人。出逢ったあの日から。むしろ今のあなたが俺の憧れです。

たまたまその閃きは。俺の中で。今もHIPHOPで。DJであり。音だっただけで。すべてが変わってく。常に。

変わるからこそ。人生には場面が生まれ。多分。それは自然な事なんじゃないのかな。俺自身もそう。矛盾してるようだけど。変わらずに変わってきました。

そして。俺たちの場面も変わり。2枚目のアナログのタイトルは802FLAVA。

1MC×1DJ。TKはソロに。

I&I